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【歌詞解釈】崎山蒼志/潜水 すごく孤独で内向的なのに解放感を覚える、崎山マジック、意味を考察

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「潜水」

昨日、崎山蒼志くんの新曲がアップロードされました。

 

youtubeにてコメント欄には「すごい」「天才」「言葉にならない」

などなど、思い思いに書かれていましたが・・・

 

いう通り言葉にならないほどの天才でしたね、紛うことなきです

 

 

彼の歌は、理論からなるものではなく、若さあってこその独特な情緒が現れていて、正直言って歌詞考察なんておこがましいことなんですが。

 

 

とても今回の歌は個人的に響くものがあったので

今一度、自分なりの解釈を伝えていこうと思いました。

 

歌詞考察

 


崎山蒼志「潜水 (with 君島大空)」(MV)

 

春の風感じて渚へ向かう 転がってる幸せを避けながら
春の風が潮風に変わり
もうすぐだなぁ あと少し あと少し


夏はそうあそこの島まで届いていて そこらでは雨が降り出した
花束を忘れて身を投げる 

窒息 入水 潜水 夏の陰 走馬灯


千切れるほど抱いた不平不満を
愛している 愛しているの
数え切れないほど拾った不幸と共に

千切れるほど抱いた不平不満を
愛している 愛しているの
数え切れないほど拾った不幸と共に


もう息をするのも忘れて
闇の踊る方へ闇の踊る方へ

 

もう息をするのも忘れて 闇踊る方へ
最後の夢を 最後の夢を見よう

 

千切れるほど抱いた不平不満を
愛している 愛しているの
数え切れないほど拾った不幸と共に

 

千切れるほど抱いた不平不満を
愛している 愛しているの
数え切れないほど拾った不幸と共に

 

目が覚めた なんだか立ち眩む
外はまだこんなにも暗いなぁ
気持ち悪くなって服を脱ぐ
びしょ濡れになった潮の香り

 

聞いて書いたのでミスがあったら指摘してください。

まずは序盤

 

春の風感じて渚へ向かう 転がってる幸せを避けながら
春の風が潮風に変わり
もうすぐだなぁ あと少し あと少し

 

春の風、という少し穏やかな描写ですが、「転がってる幸せを避けながら」

という歌詞が表すように、世の中の明るい場所から逃げようという雰囲気が感じ取れます。

 

「あと少し あと少し」この待ち遠しいような言い方に、どこか切なくなります・・

 

夏はそうあそこの島まで届いていて そこらでは雨が降り出した
花束を忘れて身を投げる 

窒息 入水 潜水 夏の陰 走馬灯

 

「夏はあそこの島まで届いていて」

あそこの島とはどこなんでしょうか。

主題歌となっているドラマのタイトルでは「さよなら、また向こう岸で」なので、こことの関わりも注目かもですね。

 

「花束を忘れて身を投げる」

また花束という、穏やかな表現が現れました、幸せや贈り物の象徴である花束。

誰かからもらった幸せを表してるのかもしれません・・

そんなことも忘れて海の中へ潜っていきます。

 

「窒息 入水 潜水 夏の陰 走馬灯」

ここの深海に入り込んでいくような描写がとても好きです。

”窒息”と苦しい描写から ”入水” ”潜水” と水に飲み込まれていく。

 

そして最後は走馬灯へ意識の世界へと入り込んでいきます

 

千切れるほど抱いた不平不満を
愛している 愛しているの
数え切れないほど拾った不幸と共に

 

そして主人公自身の心境が語られる。「不平不満を愛しているの」、きっと主人公は感情や想いを出すことができなかった

 

「千切れるほど」想いを抱いていた


不幸がたくさんあっても、不平不満を自分の中で抱くだけで、すこし救われた
だから、不平不満を何よりも愛した。

 

走馬灯の中で思い出される主人公の人生と結論。

とても悲しいです。

 

もう息をするのも忘れて
闇の踊る方へ闇の踊る方へ

もう息をするのも忘れて 闇踊る方へ
最後の夢を 最後の夢を見よう

 

そして、潜水の描写へと戻る。
先ほどは走馬灯のようだった世界から、海の中


ゆらめく海の中では、光が少しか届かずに、まるで闇が踊っているように見える
もう息をするのも忘れている、苦しくもなく、水中という人間が生きられない場所を受け入れてます。

 

そして「最後の夢を見よう」と歌う、「夢」とはなんなのか

 

「走馬灯」でもない「幸せと不幸が転がってる場所」でもない「海の中」でもない
とは「過去」でもなく「世界」のどこでもなく「今や未来」ですらない。

 

自分にしかない幻想の世界

 

そんな存在し得ない、自分だけの空間に、深海という光の届かない場所で
辿りつこうとしたのかもしれない・・

 

目が覚めた なんだか立ち眩む
外はまだこんなにも暗いなぁ

気持ち悪くなって服を脱ぐ
びしょ濡れになった潮の香り

そうしてサビに入った後、音は静かになる

 

最後は目が覚める、立ち眩むということは、現実の世界なんだろう
海の中に潜って、目指した場所へは行けなかった。
だから「外まだこんなにも暗いなぁ」とがっかりするような声

 

”外は”と助詞が”は”であったり

”まだ”と言っていたりするという部分から、外、以外の世界をまるで知ってるかのように歌っています。

 

「気持ち悪くなって服を脱ぐ」「びしょ濡れになった潮の香り」

 

まだ気持ち悪いという感情はある
潮の香りもする。ここは海だ。

 

そうやって、現実に引き戻された様子を描く


そこをわざわざ描写するところにどこか遣る瀬無さを感じます・・

 

まとめ

 

君島大空さんの編曲すごくよかったですね、意識が海に溶けるような描写と、現実とが表現されていて、本当に海の中に入ったような感覚になります。

 

崎山蒼志くんは前にフェスで見たんですが、個人的にえらく惹かれてしまって。

歌もそうなんですが、とても声が情緒的

 

泣き出しそうな、嗚咽にも近いその歌声は、喉じゃなく心を使って歌ってるのだと、そういう魅力が彼にはあると思ったのが自分なりの見解です。

若さゆえの魅力なのかもしれません。

 

この歌は非常に内向的です。

 

幸せも花束も全て避けて忘れて、自分だけの世界に入り込んでいく。

内側へと内側へと、入っていく。

 

でも、なんでか、異様なまでの”壮大さ”と”開放感”を感じる

 

海の中で体が溶けていき、心が裸になり、海そのものになっていく。

まるで自分もそうなったかのように、思考を溶かされます。

 

崎山蒼志くんのあっての表現だなと思いました。

 

もしかしたら、成長するにつれ、こういった表現もできないのかもしれないですね・・。

 

ただ、こうやって周囲のアーティストとのコミュニケーションや経験もこれから増えるだろうし

そうやって崎山蒼志というアーティストがどういう可能性を持つのか。

すごく楽しみです。

 

 

潜水 (with 君島大空)

潜水 (with 君島大空)

  • 崎山蒼志
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes